LIFE中心

透析患者さんは、ストレスや困りごとを多く抱えておられるのに、それを封印して暮らしています。

昨年6月、田端駅前にセルフケア透析施設 Self-Care Dialysis Center(SDC)を開きました。
患者さんの自己管理を優先し、より高い健康結果(アウトカム)を実現する透析治療を行う施設です。

専任トレーナーとともに練習を重ね、日々の自己管理や透析のスケジュール管理、透析治療の準備・実施・片付けまでもご自身で行うこの透析スタイルは、一見大変そうに見えながらも、それを経験した方々は「もう元のスタイルには戻れない」と言います。

SDCに移ったことで、リーモートワークを行いながら透析ができるようになった方がおられます。
上司や同僚に気兼ねしながら働かざるを得ず、出世の芽を摘まれる方も多いなかで、コロナ禍における働き方とSDCの機能性が適合した幸運な事例です。

20年以上の透析歴を持ち、意を決してSDCに移ってこられた方に、とても聞きにくいことを尋ねてみました。
「合併症の不安・恐怖はありますか?」ということです。
恐怖は常時あるとのお答えで、ご家族に心配や不安をかけるからこそ、SDCに移って自分の状態を良くしようと考えられたと。この方は現在トレーニング中ですが、すでに体調の変化を実感されておられ、不安感も軽減されたそうです。

透析という治療自体から発する身体的な問題があります。
それを服薬で抑えることはできますが、根本原因は解決できません。

人が生きるために肉体は必要です。東洋の叡智では「肉体とは魂のための宮殿」であるから、大切に手入れをしながら使っていかねばならないと考えるそうです。人生のより良い基盤づくりのために、持病があってもなくても、肉体を自らケアしていく姿勢が誰にとっても大切です。

SDCには自由にふらっと来て、自由にふらっと帰ることを目指しています。
透析患者さんの悩みの根本原因が明確になります。

医師や看護師からいつもおなじ注意を受け、自己管理できないのは自分のせいだと自己嫌悪になる。体重のコントロールに苦しむ。こういったことでご自分を責めている人がとても多い、でもみなさんどうしていいかわからないので、所詮こんなものだと諦めています。

透析施設の多くは透析の業務中心です。つまり、施設の都合が優先になっています。でも私は「患者さんのLIFE中心」である施設を作りたい。
患者さんの悩みを根本的に解決する方法があるのに、誰もやろうとしないから、私がやろうと思いました。

それが“自己管理型”透析施設 Self-Care Dialysis Center(SDC)です。
ぜひ一度ご自身の目でここをご覧になってください。
話に聞いたり、写真で見ることと、実際にその場の空気に触れることはまったく違う体験です。

迷いながらでもいい。ぜひ一度、この空間に身を置いてみてください。
「患者さんのLIFE中心」という思いを感じてください。

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