リーダーが陥る罠
あなたは、「リーダーシップとは?」と質問されて
どのように答えますか?
リーダーは自ら組織を引っ張ってゆく人。
そうでしょう。
リーダーは、常に敏感に状況を察知する人。
確かに。
リーダーは、危機を回避し組織を安全に保つ人。
なるほど。
リーダーは皆の模範となる人。
凄い。
リーダーは、人として尊敬出来る人格をもっている人。
神でしょうか?
でもどうでしょうか?
これを全て持ちあわせているリーダーはいるでしょうか。
多分いないでしょう。
しかし、職員は完璧なリーダーを期待します。
主任であれ、マネージャーであれ、師長であれ、技師長であれ、医長であれ、院長であれ、
部下は皆、出来るだけ完璧なリーダーを求めがちです。
職員はリーダーに多くの望みすぎるのです。
部下は完璧を求めるもの
しかし、それは理想にすぎません。
現実的には、アップルの創始者のスティーブジョブスも欠陥人間でした。
GEのジャックウエルチも欠陥人間でした。
(いや、悪いという事を言っているのでは有りません)
つまり、人として完璧では有りませんでした。
リーダーは人間です。だから欠陥もあるでしょう。
それが人間だからです。
それでも、期待されているのです。
いやはや、部下を持つということは大変ですね。
完璧は無理、しかし合格ラインはとりたいものです。
リーダーが合格ラインに入るためには、
どうすれば良いのでしょうか?
あなた自身で考えてみて下さい。
往往にして、リーダーが期待に応えられないことがあります。
何故ならば、時に独りよがりになるからです。
他人の意見に耳を貸さないからです。
自らリスクを与えてしまうリーダー
そして、本来のリーダーとしての責任を果たすどころか、組織にリスクを与えてしまう事がよくあります。
その原因は、自分のいる組織の特殊性や業界をことさら強調するという思考態度からきています。
この思考習慣こそが間違いです。
これは、誰もが陥るリーダーの罠です。
実はこの罠が根深いのです。
例えば、こんな事はないでしょうか?
リーダーシップの本を読んだり、人の意見を聞いたり、著名リーダーの話を聞いたりする
その時に必ず出てくる反論があります。
いえ、決して反論が悪いと言っているのでは有りません。
人の意見を批判的に吟味する事も非常に重要な思考態度である事は間違い有りません。
いや、言っている事はわかるけど、
うちの病院とは地理的な条件が違うからあてはまらない。
いや、わかるけど、業界が違うから参考にならない。
いや、時代が違うから全く活用の余地がない。
こんな、反論が多い事多い事。
私もクライアントと仕事をしてきて、こんな事ばかりでした。
しかし、このような思考態度を持てば持つほど、
あなたの中に新しい情報や知識が入ってこなくなります。
何故ならば、他人の意見を拒絶することによって、
自分を守ろうという気持ちが強くなるからです。
この時、リーダーは常に一人称で考えてしまっているのです。
組織のリーダーではなく、あなた自身を守ろうという思考に陥ってしまいます。
例えば批判的な指摘を受けた時に、個人として対応しようとしてしまう。
リーダーこそ勉強が必要
リーダーが間違えない何てだれが言いましたか?
リーダーは間違えます。何故なら人間だから。
しかし、出来るだけ間違いの確率を減らす努力をしなければなりません。
ですから、人の意見を聞く、他の業界の成功事例を聞く、本を読む。
これがとても重要なのです。
だから、リーダーは勉強し続けなければなりません。
何故か?それは先ほど言った通りですが、様々な情報の中から吟味し、
組織を安全な方向に導くためです。
そのためには、人から聞く事例、講演、本、他の業界の成功事例から、
自分の組織に活用出来るものは何か?
という思考態度を持つ事が非常に重要になります。
何故なら、言い換えれば勉強や情報収集というのは、
様々な参考材料を収集するということに他ならないからです。
あなたの組織に活かすための参考材料を収集するということがリーダーの仕事です。
トップから現場の主任まで、
グループリーダーまでもが参考材料を収集しなければなりません。
例外事項だけを並べたてればたてるほど、参考になる事が減ります。
自分の経験だけで語ろうとする。
リーダーが陥る危険な罠です。
どんなことであっても、些細なことであっても、その中から得られる参考材料を選択し、
教訓を読み取るという心的態度を持ち続けましょう。
新規オープンの透析クリニックとご縁があり転職しました。
CEという職種ながら、今まで施設全般の運営をさせていただいた中で、自身の思いと以前の組織のベクトルがずれてしまったためです。
転職先の経営者と話をさせていただいて、自身の使命だと思っている「趣味でもある透析の仕事を通して社会のお役に立ちたい。」という夢が実現できそうに感じて、40過ぎではありますが決断しました。
与えられているミッションは、新規施設を軌道に乗せることです。
すでに育ちが異なる透析経験のある相棒に「高効率かつ医療の質を高める」プランを伝えたところ顔色が曇ってしまいました。
そんな矢先に良いタイミングで櫻堂先生メールが届き、少し歩調が合っていないことに気がつきました。
もっと相棒に意見を求め、本音と本音をぶつけ合えるようにしようと思います。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
あせらずに、相手の言葉に耳をかたむけてください。
時に正論が通じない事がありますが、真摯にコミュニケーションする事が大事です。
頑張って下さい。
お返事ありがとうございます。
私の尊敬する先生からお返事をいただけるなんて、とても嬉しいです。
護られている(錯覚ですが!)医療業と変化の激しい社会を切り離して考える医療スタッフが多いので、じっくり伝え続けます。
春の薬科改訂も知恵の出しどころです。
焦らず頑張ります!
ありがとうございました。
リーダーとは?の投げかけに、
以前かじり読みした、とあるキャリア論の大御所学者の言葉が思い起こされました。
「リーダーは、新たに創造する事と、自ら創造したものを破壊する事のジレンマに悩む」
意外と深い。。。そう感じたものです。
リーダーシップとは変革を起こす事と言いますが、
変革を起し続ける事は、自らが起した変革によって創造されたものを、惜しみなく壊し、更なる高みを目指す事。
つまり、善かれと思っていた自らの過去の創造物を時に自らの手で破壊する事で変化を起こし続ける事。そこで、一般的なリーダー風な人は躊躇し立ち止まり現状に甘んじ限界を決めてしまい、歩みを止める。
そして組織の成長が止まり、衰退の途をたどる。
リーダーとはリーダーになろうとする人ではなく、この自分の中に生じるジレンマに打ち勝ちながら変革を目指し続ける中で、その姿に共感し、共に歩もうと決意してくれる人が傍らに存在した時、初めてリーダーになるのだと思うのです。
リーダーになるために地位を上げようとするのではなく、リーダーになるために旗を翻し人集めをするのでもなく、
正しく生きて来た結果、たまたま人が付いて来てくれていた。つまりリーダーになっていた。そういうものだと。
リーダーであろうがなかろうが、やるべき事を、志をもって真面目に正しく行なっていれば、自ずと「結果」はついてくるもの。
その「結果」は、地位かもしれないし、名声かもしれない。
多くの仕事人にとっては、収入かもしれない。
いずれにせよ、サボる事なく愚直に正しく努力していれば、結果(収入)は後からついてくる。私は常にそう思っているのです。
努力とは、すなわち「学習」。知識学習、経験学習、人として成長するための学習。。。
もし正しく努力しているのに結果(収入など)が伴わないのであるならば、あなたが付いているリーダーが正しくないか、あなたの行動が正しくないかの何れかであると(共感点が違うと言う意味)。
誰をリーダーとして付いて行くかを決めるセンスを磨くことも必要。
そしてリーダーは、どんな人が傍らに付いているのかを見ることで自らのリーダーシップを内省出来るかどうかも、重要なセンスになる。そう考えています。
「結果は後から付いてくるもの」
結果(リーダー、収入など)を求めるなら、何事においても常に真剣に生きなければならない。
そう思いつつも、時にくじけるのが人間。
だから、櫻堂さんの様な標榜となる厳しい叱咤激励が必要なのです。