あなたを取り巻く7つの不都合
あなたは、こう感じているではないでしょうか?
「そもそも透析なんかしたくない」と。これが本音ではないでしょうか?
あなたが、こう思う理由は何でしょうか?あなたをそこまで追い詰めるものは何でしょうか?
あなたが不都合と感じることは?
第一の不都合 自由を制限されていると感じている
食事管理、飲水制限、体重管理、服薬、どれも必要な事は理解している。しかし、毎日の事なので、とても負担が大きい。
第二の不都合 生活が制約されていて窮屈と感じている
決められた時間の通院、透析時間や回数も決められていて、自分がコントロールされていると感じている。自分の自由意思が阻害されているように感じる。
第三の不都合 体調の不良が改善しない絶望感
体調が悪いのが当たり前になり、食事制限や服薬もきちんとしている、指示も守っているのに、大した改善が得られていない。この状態が続くことの絶望感。
第四の不都合 人生で損をしていると感じている
職場では、自分の能力に関わらず、出世の道が閉ざされていると感じている。自分が健常者であればもっと機会を与えてもらえたはず。透析のために、人生を楽しむ時間も減っている。
第五の不都合 自分は理解されていないと感じている
人間関係において、周りから配慮され、特別扱いされればされるほど、疎外感を感じ自分は理解されていないと孤独感に苛まれる。
第六の不都合 将来の合併症の恐怖が頭から離れない
合併症が発症し、長期に渡る療養になることが心配、そしてその後の家族のこと、経済的な負担が重くのしかかる
第七の不都合 医療者が偉そうにしているのが気に障る
自分より歳の若い医療者に、あれこれ指図され支配されている気持ちになる。人生の経験は自分の方が上なのに。もう少し、自分のことを知って欲しいし、丁重に扱って欲しい。
あなたは、この様な不都合に押し潰されずに頑張っています。人知れず努力もしています。
しかしこれは、あなたの問題であると同時、医療を提供している我々の問題でもあります。ですから、一緒にこの問題を解決したいと思います。
この話を続ける過程であなたは、この問題のほとんどが解決可能であることを理解するはずです。
あなたはどこに行きたいのか?
つきつめて考えると、あなたの真の目的は何でしょうか?あなたにとって厄介な“不都合”がなくなった後、あなたが求めるものは何でしょうか?
もっとお金を稼ぐことでしょうか?更なる成長でしょうか?自分や家族、そして友人のために使える時間を増やしたいですか?もっと認められたいのでしょうか?
そのためには何が必要だと思いますか?あなたの理想的なビジョンを現実化するために、最小の時間、最小のエネルギー、最小のお金を使って目的を達成するために必要なのは常に「最適化」という考え方です。
これはとても重要なことなので、もう一度言いたいと思います。あなたのビジョンはあなたがどの様にして自分の目的を果たすかを示したものです。
自分を奮い立たせる「ビジョン」です。自分で限界を決めず、高い「ビジョン」をもつことです。
具体的に話を進めていきたいと思います。知恵と経験を働かせてください。透析だけに絞ってみても、あなたの目の前には沢山の選択肢があります。しかし、多くの人は標準的な透析しか目に入らずに、視野狭窄に陥りそれを受け入れているはずです。
だからです。その「標準的な透析」自体の制約により、あなたの不都合は決して解消されることはないのです。
その結果、あなたは人生を諦め「ビジョン」を持とうとしなくなります。
実は標準的な透析にはボトルネック(制約)があります。標準的な透析は、生命維持をするための必要最低限の透析のことです。(日本透析医学会ガイドライン)最高の透析ではありません。ボトルネックがあるため、そこを最適化しようとするがあまり、薬の増加、食事の制限、体重管理が必要になります。これを部分最適と言います。医療者は不完全さを補完しようと、躍起になるわけです。それがあなたの不都合の原因です。
このボトルネックをどのように解消すればいいでしょうか?視点を変え、もっと広く本質的に考える必要があります。第一にその答えはHDPスコアを上げることです。HDPスコアを上げることで、血液の浄化が進み体調面の不都合を改善することができます。食事制限を緩和することができます。更に将来の合併症のリスクが下がります。
さて、その次に進みましょう。HDPスコアの改善だけでは、全てを解消することができませんからね。
第二に、セルフ透析を活用することです。セルフ透析は施設の都合にあなたを合わせるのではなく、あなたの都合に透析を合わせることを可能にするのです。あなたの好きな時間に、好きなだけ透析ができます。フレックスタイムやオンラインで透析しながら仕事をすることで仕事の時間を阻害しないばかりか、あなたの貴重な時間を消費することがありません。
そして、データに基づいた自己管理を行うことで、透析の支配から自立することができます。
そして、もうお分かりだと思いますが、セルフ透析の利点はHDPスコアをあなたの意思で変えることができるのです。
つまり、セルフ透析というのは、標準的な透析のボトルネックをこえ、全体最適化を図ることができるわけです。
しかし、ここで間違えていただきたくないのは、セルフ透析は目的ではなく手段に過ぎないのです。手段ですから、たいそうな事ではありません。セルフ透析を使い倒せばいいのです。自分の好きな時間を設定し、回数を増やし、これでもかとパフォーマンスをあげ、人生に果敢に挑戦し続ける。仕事でも、趣味でも、徹底的に楽しめばいい。
美しく言えば「ビジョン」構築ということになりますが、自分の目的達成のために、手段は使い倒すという位に考えるべきだと思います。
こうすることで、あなたのビジョンは確実に達成の道を歩み始めるはずです。人生全体を考えていきましょう。