一般的に、新入社員から管理職、そして上級管理職と出世を続けるうちに
否応無しにリーダーとしての様々な経験をして行きます。
好きであろうが嫌いであろうが、事情が許してくれません。
その間に様々な悩みを抱える事になります。
上司との関係性、部下との関係性、他の部門との関係性。
これは、一般企業であれ、医療機関であれ、この経過は全く同様です。
もし、あなががリーダーならあるとき悩むはずです。
何故、部下は思った通りに動いてくれないのだろうか?
何故、上司は私の事を認めてくれないのだろうか?
何故、他の部門はうまくいっているのに、
自分の部門だけうまく行かないのだろうか?
何故・・・・・・・。
こんな悩みが常につきまとっているはずです。
そして、何とか対応しようとする。努力する。しかし、うまくいかない。
また努力する。しかし、うまく行かない。
そして挙句の果てになかったことにする。
うまくいかないのは、自分のせいじゃない。
それは部下のせいだ。
それは患者さんのせいだ。
その結果、状況を放置するようになります。
「何とかなるさ」と投げやりになる。
そうすると、結局悪い状況は一向に治らないばかりか
悪循環を繰り返すだけになります。
事態はこじれて行きます。
あるいは、悪い状態が当たり前になっていきます。
悪い状況に直面している事に対して無関心になります。
そして組織は硬直化してきます。
クライアントと仕事をするなかで、いくつもの組織がこのような状態になっているのを
目の当たりにしてきました。
このような状態は徐々にそして確実に組織を浸食してくるのです。
そして気がついた時には、時既に遅しです。
「櫻堂さん何とかしてください!」と頼まれたのも1度や2度ではありません。
そのとき、私がどのように答えたかを話しましょう。
私の答えは、「即効性のある方法はありません」です。
何故なら、私の経験上90%はリーダーに問題があるからです。
あなたの行動が、いまの結果を生んでいるのですから。
良いですか?「あなたの行動」です。「部下の行動ではありません」
結果を変えたいと思ったら、あなたの行動を変えるしかないのです。
行動を変えない限り、結果は変わりません。
但し、行動を変えたからといって、結果がすぐに変わるわけではありません。
いつやるの?→今でしょ!とはならないのです。
闇雲に行動しても、徒労に終わるのがおちです。
人間には考えるという能力があります。
人間は考えるから成長する。
考えてから行動に移すから成功確率が上がるのです。
仕事というのは言い換えれば、
いかに成功確率を上げて、望む結果を手に入れるか?という行為に他なりません。
いま、ちょっと我ながらいいこと言ったと思いました。(笑)
つまり、成功確率を上げるという事は、戦略的に行動するという事に他なりません。
何故、成功確率という言い方をするかというと、あなたの時間やお金には限りが有るからです。
だから、確率を高めるしかないのです。
しかし、ここはあまり理解されていません。
一生懸命仕事することが良い事。
確かに良い事でしょう。(怠けるよりは)
長時間仕事をすること。
確かに良い事でしょう。(不十分に仕事するより)
しかし、リーダーの仕事を「成果を上げる事」と定義したとたんに
一生懸命、長時間というのは意味をもたなくなります。
リーダーの最大の資源は思考力と行動時間です。
あなたの時間を如何にうまく投入するか?活用するか?という事に尽きます。
そうそすると、先ほどのようにハードに働けばいいと勘違いする人がいます。
長時間働こうが、同時並行的に仕事をこなそうが、決していい結果は生まれません。
むしろ、考え続けるという外側からは見えない行為こそが極めて重要なのです。
人はかたちに見えることをやりたがります。達成感があるからです。
しかし、リーダーの仕事はかたちに見え難いのです。
そして、その結果は後から確実に表に出てきます。
結局、リーダーの仕事はごまかしがきかないのです。
考え続ける忍耐力が重要なリーダーの条件です。
状況対応しなければならない業務をこなしているだけでは50%です。
残りの50%こそがリーダーの仕事のはずです。
思考する時間、しかも考え続ける忍耐力がリーダーの条件です。