患者さんが必要としているたった2つのこと

現代は激しい変化の時代であると同時に、「個」と情報の時代です。

そこでは、顧客の個別性に着目したマーケティング戦略が必須です。

とりわけ医療では、患者さん一人ひとりの個別性に着目した思考と実践が求め

られます。

なぜなら、医療の原点は「個別性」にあるからです。

こと医療に限って言えば、同じ医療サービスを提供しているわけではありません。

患者さんごとに微妙に異なる症状や状態に合わせて、医療サービスを提供して

いるのです。

その一方で、透析施設では、システム化が進めば進むほど、「個」ではなく

業務思考陥りがちになります。

これを読んでいるあなたも、思い当たるふしがあるでしょう。その結果、時として

「こなし仕事」になってしまいます。

システム化とこなし仕事

確かに、システム化がすすめば、あまり考える必要がなく、定型化された業務を

こなしていればOKという気持ちになるのは当然と言えば当然です。

業務の流れの中で習慣化された行動をとってゆけばよいと考えがちです。

しかし、ここで少し考えてほしいと思います。

業務として扱われる患者さんのことを考えてみて下さい。

あなたが、患者だったらどう思いますか?

この感覚はとても重要です。

マーケティング戦略を立案する時に、顧客の立場になって考える事が極めて

重要なのです。

なかなか、逆の立場で物を考えることがないので、この機会に想像してみて

ください。

それでは、同じ施設で透析を受けている2人の患者さんのケースをもとに考

えてみましょう。

実はこれは現実のケースです。

2つの患者ニーズ

施設とスタッフに求めていることを実在の患者さん2人に尋ねたところ、

Aさんは、合併症予防と専門病院など他施設と連携して適切な医療を提供して

ほしいということ、

そしてスタッフたちの透析についての質の高い知識・情報、穿刺など診療の

優れた技術でした。

一方のBさんが期待しているのは、スタッフの好ましいとコミュニケーション、

気持ちの良い対応でした。

2人ともインテリジェンスに富んだ方ですが、答えは全く違っていたのです。

つまり、同じ透析患者でも「安心・安全のメディカルニーズ」と

「快適性・アメニティなどのヒューマンニーズ」と、医療サービスに対する2人の

ニーズの重点は異なっているのです。

ここでしっかり理解しなければならないのは、透析をはじめ慢性疾患に対応する

医療現場は、患者さんの日々の生活を支える、

このメディカルニーズとヒューマンニーズの両方同時に応えていく必要があるということです。

やさしいフランス人

一昨年の事ですが、フランスに視察に行き、パリの透析施設を訪問した事がありました。

その時、医師や看護師がものすごくフレンドリーに患者さんに接しているのを見て、

感動しました。

フランス人ですからどちらかと言うと、ツンとすましていてクールな対応かと

思っていましたが予想に反して、実にフレンドリーな対応でした。

この例で言えば、ヒューマンニーズにきちっと応えているということになります。

多くの医療者はメディカルニーズに応えていれば良いと考えがちですが、

決してそれでは患者さんの満足は得られません。

どちらか一方ができていれば問題ないと考えている医療人がいますが、

それでは患者さんのニーズ全体の半分しかカバーできない、半分しか満足して

もらえないのです。

それでは医療の質としては、全く不十分なのです。

「個の時代」の施設として医療人として、どう応えていくかが問われているのだと思います。

 

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